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エロスは狂気やもんね。 キミはそう言った。

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約 3 分

その人は、遠い場所にいて。 僕も、子供が駆け回る喧騒を聞き流しながら公園で電話をする。 その時は、きっと、歪んだ自分の考えを、否定せずに聞いてくれるキミとのやりとりに僕は依存していた…。 冷たい風が彼女の髪の毛や肌を撫でるのを想像しながら。 僕は冷たい手で携帯を握りしめていた。 その人も冷たい風で、服に包まれて入るけれど、その血管まで透けて見えそうな白い肌はきっと冷たいはず…。 「寒いよね。雪とか大丈夫?」 「今日はまだ、ましかなぁ…」

真っ青な空を支えているような木の写真が送られてくる…。 「ね?晴れてるんだよ。」 青すぎて暗く見えるほどの青空。 遠く離れると空の色も変わるんだろうか…。でも、きっと、これは携帯の技術で加工されているものかも…。 そして、樹木に触れている、その子のやわらかそうな長く細い指の写真が送られてくる。 触れられているのは、瘤を作りながら捻じ曲がって育つ幹。 空に蔓延った枝の写真について、話す。

「僕さぁ…昔、木って枝が血管みたいだよなぁと思ってたんだ。」 「そうだね…わかる。」 「ここは地球の体内なのかな?とか…。ガイア理論っての…ふと思い出したんだよね…。」 また、小難しい話を始めてしまった…と思いながら、会話が途切れた。

僕は、恥ずかしくなって、素直なキミへの気持ちを伝えたくなった…。

「寒いところで、抱き合いたいですね。」

「はい…」

「冷たいキミの、肌がだんだん暖かくなるみたいなの。きもちよさそう。」

「そして、そのまま眠りたい…。」

「いいなー」

「えっちですね。」

「だれが 笑」

その当時は、お互いに肌を確かめ合ったこともない、二人の痛みにも似た会話。 平和な公園で、電話の声を聞いている。 彼女の少しの息遣いも記憶に止めようとしていた。 いろいろ話した。

その時は、昔、眼球を舐める性的な行為を映画で見たことがあって、それについて話していたんだ。 僕は、映画のワンシーンの話をしていたけれど、昔付き合ってた人と、一度だけそんなセックスをしたことがあった。 その子は、怖がっていたけれど、痛くはないと言っていて…。 好奇心で僕の目も舐めてもらった。 肌を絡ませながら、カタチを歪ませる豊かな彼女の胸をまさぐりながら、その行為にゾクゾクとした悪寒が走ったけれど、痛みは感じなかった…。別に嫌ではなかった。 けど、なぜか、その一回だけで、お互いにその行為に耽溺することはなかった…。 あの時に感じた舌で瞼を押し広げて、這う…感じ。 そして、僕の舌が、彼女の瞼を押し分け…。 暖かい透明な作り物のような艶を持つ眼球に触れる…。 その罪悪感に満ちた感じは、今でも覚えている…。

そのことを、彼女の無邪気な声を聴きながら…。 変態的な交わりを、心の中で、劣情を掻き立てる思い出に罪悪感を抱きながら…目はだめだよねーと、常識人になりすましていた…。 それもまた、自分の中では狂気に近かった…。

エロスは狂気やもんね。彼女は、僕の心を見透かしたように唐突にそう言った…。

僕が、その時、青空を見上げながら、彼女にしようとしていた質問は、 彼女がこの手に触れられて嬉しい場所…。 彼女が一番、この手で狂い果てる場所…。 でも、言葉があまりにも美しくなくって。 キミが触られて嫌がる場所を聞いた…。 ほんの少しの優しさのシミュレーションのつもりで…。

「ねぇ、どこ触られたくない…?」 聞いてみて、性感帯を聞くよりも艶かしいその言葉に、言葉に秘められた狂気を思った…。

彼女が返してきた答えは 「ない… 笑」

2019/03/05 03:19 noteにて掲載

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